会社法での会社とは?商人・会社の絶対的商行為、営業的商行為、附属的商行為とは?

法人は設立の段階で必ず目的を定める必要があり、法人格はこの目的のために法律上認められたものです。よって目的の範囲を超えた行為においては法人は権利義務の主体になれないことになり、法人が目的の範囲外の行為をした場合、その行為の効果は法人に帰属しないことになります。民法34条にも「法人は、法令の規定に従い、定款その他の基本約款で定められた目的の範囲内において、権利を有し、義務を負う。」と定められています。しかし、法人の行為の効果を定款規定の目的にある文言通りに限定すると、取引先は取引の都度相手の会社の定款目的を確認する必要が生じたりして、社会が成り立たたなくなったりします。そのため判例では、「法人の目的遂行に必要な行為は、目的の範囲内に属する」として、目的範囲を相当広く解釈し、法人の行為が目的外の行為として無効とされることはほとんどないことが現実です(会社では登記の目的欄の最後に、「上記に付随する一切の行為」などの文言を入れて、目的を達成するために付随する行為も目的の範囲内とするようにしています)。

会社法とは 会社法の制定目的・背景、平成26年改正会社法、会社と個人事業の違い等

会社法の1条には、「会社法とは、会社の設立、組織、運営及び管理について定める法律」とあります。企業(会社)は、物を仕入れたり製造し、それらに利益を上乗せして販売することで、利益を出すこと(営利活動)を計画的、継続的に行うことを目的とする経済的な存在で、利益を計上し債権者への支払い、配当など営利の追求、分配を特性とします。すなわち、会社法は、会社や株主、取引先など会社と利害関係者間の利益を調整しつつ、営利の追求といった企業(会社)の特性を実現するための技術的なものです。現在の会社法は平成17年6月29日に可決成立し、平成18年5月1日から施行されたものですが、意外ですが、これ以前は会社法という法律は日本にはなく、「商法第二編 会社」、「株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律」(商法特例法)、「有限会社法」の3つの法律が現在の会社法の代わりとして存在していました。これら3つの法律は、会社法の制定により無くなり(いずれも平成18年5月1日廃止)、会社法の中に取り込まれました。

会計監査が必要な会社

会計監査人の監査を受けなければならない会社は①大会社②監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社③会計監査人の任意設置を行った会社になります。大会社とは、資本金が5億円以上または負債合計額が200億円以上である株式会社をいいます。監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社は会計監査人の監査が義務付けられ、会計監査人の任意設置を行った会社は会計監査人を一度設置すると定款変更により会計監査人設置をやめるまで会計監査人による監査が必ず必要になります。

法人税の確定申告

確定申告は個人だけではなく、法人も事業年度ごとに、決算日から2か月以内に、法人税申告書を作成し、課税所得に対する法人税を納付します。法人の確定申告は個人とは期限や手順が大きく異なります。ここでは法人の確定申告とはどういったものか、確定申告書の提出期限・時期について解説します。

法人税の内国法人、外国法人の納税地、納税地の指定、異動・変更

納税地とは、申告、納付、申請、請求、届出等法人が法人税法に基づく義務履行や権利行使の処理を行う場所をいい、法人を管轄する税務署を決める基準となる場所です。すなわち納税者が申告、納付、申請、請求、届出等をどの税務署長にしたらよいか、また、どの税務署長が納税者に対して更生、決定をすることができるかを定め、納税者と国税庁の両社にとって最も都合のいい場所を納税地とするようにしています。よって、法人を新設した場合は設立の日から2ヵ月以内に納税地を記載した設立届出書を所轄税務署長に提出し、納税地に変更があった場合は、異動届出書を所轄税務署長に提出しなければなりません。

法人税法の事業年度、解散・合併・清算みなし事業年度、1年超の事業年度

法人税法において事業年度とは、原則として法人の財産及び損益の計算の単位となる期間で、法令で定めるもの又は法人の定款、寄附行為、規則、規約その他これらに準ずるものに定めるものをいいます(法人税法13条)。事業年度(会計期間)の定めが無い場合や定めた期間が1年を超える場合は別途取り決めがあります。

法人税の課税所得の範囲

法人税の納税義務のある法人であっても、法人の種類により課税所得の範囲は同じでなく、また適用される税率も異なります。なお、連結納税を適用している法人については内国法人(普通法人、協同組合等)と同じになります。

法人税の納税義務者~法人税法上の会社区分

法人税法上、法人の意義については何も規定されていませんが、法人税法は「会社法」や「私立学校法」、「医療法」、「一般財団法人及び一般財団法人に関する法律」、「中小企業等協同組合法」、「中小企業団体の組織に関する法律」、「商工会法」、「宗教法人法」、「公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律」、「信用金庫法」などの法律により設立された法人を法人税の納税義務者としています。ここでいう法人とは、自然人以外で法律上権利・義務の主体として認められるものをいいます。なお、法人税法では法人税を納める義務のある法人を、まず「内国法人」と「外国法人」に区分し、さらに、様々な法律によって設立された法人を「普通法人」、「公共法人」、「公益法人等」及び「協同組合等」に区分するとともに、「人格のない社団等」も法人税の納税義務ある法人としています。